マイニュースジャパンより許可を得て転載。

大渕愛子弁護士が裁判所に提出した契約書の署名は「別人による筆跡」と断定、筆跡鑑定で判明 
簡易筆跡鑑定書の一部。大渕弁護士が証拠として提出した契約書の署名が、元顧客のAさんとは別人、との判断である。アルファベットサインの8カ所を調べた結果、すべてがAさん直筆の署名と契約書の署名は違う、という結果だ。

 『行列のできる法律相談所』等に出演する大渕愛子弁護士を、元顧客のAさんが訴えている裁判で、大渕弁護士が提出した証拠書類のなかの1つである顧問契約書が、偽造されたものである可能性が高いことが分かった。Aさんによる直筆署名とされるものが、「別人による筆跡である」との明確な鑑定結果が出たのだ。そもそもAさんは「顧問契約書など全く交わしていない」と当初より一貫して訴えており、その主張をうち消すために大渕氏側が突然出してきた証拠が、この“顧問契約書”だった。契約書に記載された署名をAさん側が筆跡鑑定に出したところ、全く別人で、しかも「模倣の意図があり、似せて書こうと丁寧に書いた」とまで、鑑定書は断じている。サインのなかの8カ所の鑑定箇所すべてで(〇△×3段階のうちの)×、つまり「不一致」で「別人」と判定されるほど、真っ黒な鑑定結果だった。原告代理人は10月10日、「(大渕弁護士の)主張には、全く信用性がなくなったといわざるを得ない」と大渕氏本人尋問を上申した。(筆跡鑑定書は末尾よりダウンロード可)

【Digest】
◇謎の手書き署名は「別人による筆跡である」と鑑定書
◇すべてを失ったAさん
◇悪夢の夏2011年 
◇Aさんと大渕弁護士の決裂以後何が起きたか。
◇解決が長引くほど弁護士が儲かる契約書
◇なぜ決裂した直後に契約書を交わすのか?
◇8カ所のチェックポイントはすべて「×」
◇大渕愛子弁護士の本人尋問を法廷で
◇大渕氏代理人から反論
◇示談合意書の背景 
◇筆跡鑑定書についての審理と大渕氏本人尋問を

◇謎の手書き署名は「別人による筆跡である」と鑑定書
 「簡易筆跡鑑定書」にはこうある。  
《その結果は、指摘した8箇所の特徴のすべてが、資料A・Bで相違していた。(中略)資料A・Bを同一人の筆跡とするには無理がある。(中略)筆勢の弱さは、資料Aには模倣の意図があり、似せて書こうと丁寧に書いたためと考えられる》
 そして、最終結論は以下の通りだ。
 《以上を総合的に考察すれば、資料Aと資料Bの筆跡を、同一人の署名と見ることはできない。資料Aと資料Bの筆跡は、「別人による筆跡である」と認められる》
 筆跡鑑定を行ったのは、日本テレビ系番組でも多数の鑑定を行ってきた㈳日本筆跡鑑定人協会の根本寛理事長。略歴や実績、今回の鑑定の方法や詳細結果については後述する。

 元顧客のAさん(女性40代半ば)は今年5月7日、支払った金額の一部返還、渡した証拠類の原本返還や慰謝料など合計約216万円の支払を求めて大渕愛子弁護士を東京地裁に提訴した。

 その訴えに対して、きちんと契約を交わし通常通り仕事も進めていたことなどを示すために、大渕弁護士が裁判所に提出した証拠のひとつが、問題の顧問契約書だった。

 ところがAさんは、当初から一貫して次のように語っている。


「契約書そのものを交わしたことは全くありません。だから契約書があるわけはないのに、その契約書が出てきた事自体に驚きました。しかも、手書きの署名は私のものではありません」
 そこで筆跡鑑定を依頼したところ、まったく別人による署名だという鑑定結果が出たのだ。きわめて深刻な事実といえるだろう。

 いったい、Aさんと大渕弁護士との間に何が起きていたのだろうか。今までの経緯を振り返ったうえで、焦点の「顧問契約書」の問題点に迫りたい。